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2019年10月19日

症例35 胸や背中の痛みでお悩みの女性

症例


本日は、胸や背中の痛みでお困りだった女性患者様のご紹介です。
あちこちの病院で調べるも原因がよくわからずどうして良いかわからない中で当院に辿り着かれました。




目次



  1. 患者様について

  2. 西洋医学的見立て

  3. 東洋医学的見立て

  4. 治療

  5. 施術者の思い


 




患者様について





O様 65歳 女性主婦
主訴:胸、背中の痛み、夜眠れない既往症:  甲状腺機能低下症→チラージン服用中、20年以上前より





6ヶ月ほど前から胸や背中(肩甲骨の間あたり)が痛み始めた。肺のレントゲン、血液検査、逆流性食道炎の治療、胃カメラ、整形外科で背骨や胸のレントゲン、胸のMRIなど、さまざまな治療や検査を受けたが改善がなく、異常が見当たらなかった。
現在は痛み止めのロキソニンと、神経痛の治療としてリリカを処方されているが痛みが治まらない。







西洋医学的見立て





上記のように西洋医学的な検査で、内臓的な問題が見当たらない状況。
整形外科的な要因である可能性が高いと判断。
頸椎や首周囲の筋肉付近での神経圧迫がないか検査をしてみました。(頸椎症や胸郭出口症候群の検査)が、こちらも検査としてははっきりと陽性反応が出ません。
経験上、上記の検査で陽性が出なくても首まわりでの神経圧迫がある仮定で治療をすると、神経痛が取れる症例を多数見ています。
靭帯や軟部組織、椎間板、筋肉など何らかの組織によって神経に圧迫があるはずだと仮定し、上記の要因が取れるように治療を進めることにしました。
また音に敏感で、大きな音を聞くとツラいという症状があることから、上記の要因以外に、自律神経(交感神経)の高ぶりにより、ある部位の感覚神経が過敏になり痛みを生じている場合もあるので、その可能性も視野に入れました。
(交感神経が高ぶり、それに影響を受けて感覚神経が過敏になると、音や光にとても敏感になることがあります。)







東洋医学的見立て





脈は片方の手首で特異な血管の走行をしているため、右側の手首からは脈が診られない。(反関の脈といいます。)左手首の脈は細く弱い。
舌はやや暗い色をしている。
寝汗や不眠、夜に体がカーッと火照るなど、体の内側に熱がたまっている症状が見られるが、脈や舌には熱のこもった所見は見られない。
肝臓と心臓に十分な血が送られていないことが、不眠や筋肉の張り、神経過敏などを生み出しているのではないかと判断しました。
肝臓や心臓の働きが良くない時、不安になったりイライラしたり、筋肉が凝ったり、感覚神経が過敏になったりすると、東洋医学では考えます。







治療





初回は肝臓の働きを高め、肝臓にある血のストックを増やすという働きのある背中のツボに針をして治療をしました。
首や背中周辺の筋肉が緩み、痛みも軽減しました。
また体にこもる熱を落とそうと足にあるツボに針をしてみたところ、数分経った頃に胸に動悸が出始めたので、返し針をして症状を落ち着け、終了しました。
この患者様は体がとても敏感に反応するため1〜2本の少ない針で治療することにしました。





1週間後の2回目、来院時にお聞きすると、やや痛みがありましたが術後症状が少し落ち着いて、3日ほどは眠れたとのことでした。
2回目は体の状態を診て足のツボを使ってみました。針は1本。その場では症状が落ち着いたため終了。
さらに1週間後の3回目、来院時にお聞きすると、術後痛みが増したとのこと。やや不眠も出たので、初回の背中のツボに戻しました。針は1本。
4回目術後眠れているし、痛みも落ち着いた状態で維持。日によっては多少症状が出ている日もある。
それ以降治療感覚を2週間ごとに。ツボは同じ。
5回目6回目と症状がだんだん軽減。痛みが当初の2割程度に。
3週間後の7回目、症状がかなり落ち着いていること、不眠もないこと。などから一旦治療を終了し卒業していただくことにしました。
もし問題があればご連絡をいただくお話になっておりますが、3ヶ月経ちますがご連絡はありません。







施術者の思い





結果的に、神経の高ぶりと、頸椎の問題、両方をケアできるように進めた結果、いい状態に持っていくことができました。個人差はありますが、針一本でもこれほど大きく体に変化を生み出すことができるのだと改めて感じた症例でした。





【主に使用したツボ】肝兪など




要鍼灸院 とみお院

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